鍵開け業者との間で発生するトラブルは多岐にわたりますが、中でも最も多いのが料金に関するものです。よくある事例としては、「作業前に提示された見積もりよりも、作業後に高額な料金を請求された」というケースです。これは、悪質な業者が意図的に安い基本料金だけを伝え、現場で様々な追加作業を理由に料金を釣り上げる手口です。例えば、「特殊な鍵だから」「夜間料金が加算される」「部品交換が必要」などと言って、見積もりにはなかった費用を次々と上乗せしてきます。このような事態を防ぐためには、見積もりの段階で「追加料金が発生する可能性はあるか」「どのような場合に発生するのか」を具体的に確認し、書面で残しておくことが不可欠です。また、作業内容が曖昧なまま作業を進めようとする業者には注意が必要です。鍵開け作業は、どのような工程で、どれくらいの時間がかかるのかを事前に説明してもらうべきです。もし説明を渋るようであれば、その業者は信頼性に欠けると言えるでしょう。次に、鍵やドアを破損されたにもかかわらず、その責任を認めないというトラブルも散見されます。急いでいる状況で無理な作業を行った結果、鍵穴を壊したり、ドアに傷をつけたりするケースです。しかし、悪質な業者は「元々壊れていた」「お客様の責任だ」などと言って、修理費用を請求されたり、補償に応じなかったりします。このリスクを避けるためには、作業を始める前に、鍵やドアの状態を業者と一緒に確認し、可能であれば写真や動画で記録しておくのが有効です。もし破損が発生した場合は、その場で証拠を保全し、業者との間で修理や補償について書面で取り交わすようにしましょう。また、身元不明の業者に依頼してしまい、トラブル発生時に連絡が取れなくなるという問題もあります。インターネットで見つけた業者の中には、実店舗を持たず、連絡先も携帯電話のみというケースも少なくありません。このような業者に依頼してしまうと、問題が起きた際に追跡が困難になり、泣き寝入りせざるを得なくなることもあります。信頼できる業者を選ぶためには、会社の所在地や固定電話番号が明確に記載されているか、ウェブサイトがきちんと整備されているかなどを確認することが重要です。
鍵開け業者のトラブル事例とその予防策