鍵開け業者の中には、消費者の緊急性を利用して不当な利益を得ようとする悪質な業者が存在します。彼らの手口は年々巧妙化しており、一見すると普通の業者と見分けがつきにくい場合もあります。その一つに、「地域最安値」や「格安料金」を謳い文句にして集客する手法があります。インターネット広告やチラシなどで、他の業者よりもはるかに安い基本料金を提示し、消費者の目を引きます。しかし、実際に依頼して現場に駆けつけると、「これは特殊な鍵なので」「想定以上に時間がかかる作業なので」といった理由をつけて、次々に高額な追加料金を請求してくるのです。しかも、作業を始める前に具体的な説明を避け、作業後に「この費用は当然かかるものだ」と言い放つケースが多く見られます。このような手口に騙されないためには、見積もりの段階で、基本料金以外にどのような費用が発生する可能性があるのか、追加料金の具体的な内訳は何かを細かく確認し、書面で提示を求めることが重要です。また、「今すぐに作業しないと大変なことになる」などと、心理的なプレッシャーをかけてくる手口も特徴的です。特に、深夜や早朝、寒い日や雨の日など、消費者が精神的に追い込まれている状況を狙って、即決を迫ります。冷静な判断ができない状況で、高額な契約をさせようとするのは、悪質業者の典型的な行動パターンです。このような場合でも、一度冷静になり、「本当にその作業が必要なのか」「他の業者ではどうなのか」と考える時間を持つことが大切です。たとえ急いでいても、その場で即決せず、家族や友人に相談したり、別の業者に連絡して相見積もりを取るなどの対応を検討しましょう。さらに、鍵開け作業を口実に、自宅の構造や防犯設備に関する情報を聞き出そうとする業者にも警戒が必要です。これは、後日空き巣などの犯罪に利用されるリスクがあるため、絶対に避けるべきです。鍵開けの作業に不要な個人情報や、自宅の間取りに関する質問には安易に答えないようにしてください。正規の業者は、お客様のプライバシーやセキュリティに配慮し、不要な情報を聞き出すことはありません。また、作業中に不必要な部品交換を提案してくるケースもあります。
悪質な鍵開け業者の巧妙な手口を暴く