それは、ある夏の日のことでした。いつものように仕事から帰宅し、お風呂に入ろうとした時、壁に数匹の小さな黒い虫が止まっているのに気づきました。最初は気に留めなかったのですが、翌日、さらにその数を増やしていたのです。よく見ると、それはハートのような翅を持つ、チョウバエでした。どこから入ってきたのだろう?窓は閉まっているし、換気扇も回しっぱなしなのに…。不快な気持ちを抱えつつも、その日は見かけた数匹を退治してやり過ごしました。しかし、チョウバエは日を追うごとに増え続け、ついにはお風呂に入るのが憂鬱になるほどに。これは本格的に対策しなければと思い、インターネットで原因を調べました。どうやら、チョウバエはお風呂場の排水口などに溜まったヘドロから発生することが多いらしい。まさか、うちの排水口がそんなに汚れているとは…と半信半疑でしたが、他に心当たりもありません。意を決して、お風呂場の排水口のカバーを外してみました。すると、そこには目を覆いたくなるような光景が…。髪の毛と石鹸カスが絡み合い、黒くヌメヌメとしたヘドロがびっしりと付着していたのです。これが発生源に違いないと確信し、すぐさま掃除に取り掛かりました。まずは、割り箸で取れる限りの固形物を取り除き、次に使い古しの歯ブラシでゴシゴシと擦りました。しかし、長年蓄積された汚れは頑固で、なかなか綺麗になりません。そこで、ドラッグストアでパイプクリーナーを購入し、排水口に流し込んでみました。しばらく放置した後、お湯で洗い流すと、かなり汚れが落ちたように見えました。これで一安心、と思ったのも束の間、数日後にはまたチョウバエの姿が…。どうやら、表面的な掃除だけでは不十分だったようです。今度は、もっと奥まで掃除しようと、柄の長いブラシを購入し、排水管の内部まで届くように擦りました。さらに、熱湯を定期的に流すようにしました。熱湯はチョウバエの幼虫や卵を死滅させる効果があると聞いたからです。火傷に注意しながら、週に数回、排水口に熱湯を注ぎました。この徹底的な掃除と熱湯消毒を根気強く続けること約2週間。ついに、お風呂場からチョウバエの姿が消えたのです!あの時の達成感と安堵感は忘れられません。この経験から、日々のこまめな掃除がいかに大切かを痛感しました。もう二度とあんな思いはしたくないので、今でも排水口の掃除と熱湯消毒は欠かさず行っています。